2024年3月16日
Music Bar S.O.Ra.
(大阪)
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(第一部)
Heart to Heart
ただひとつの嘘
Dead or Love
風の中のストーリー
あの日
ずっと
(第二部)
Estrange
Lovin'
体より心が
手紙
秘密基地
Love Me Tender
忘れかけた空
レクイエム
(En)
Don't Stop!Carry On!

この時期にしては暑いくらいの陽気の日、"63歳"の初ライブとなるアコースティック@大阪へ。
前回は当日になってのピンチヒッター!という状況の中、初合わせとは思えない、
素敵な音を聴かせてくださった浜崎明子さんが再登場です。
まずはしっとりと優しいピアノの"Heart to Heart"で幕開け。
こういう入り方、初めてかも?
諸岡さんの歌声もいつもより柔らかく響いて、
ひと声ごとに店内の空気に馴染んでいくようでした。
歌終わりをアコギで繋いだ"ただひとつの嘘"は、かなりスローに。
洒脱な色を纏って、細やかな音を重ねる浜崎さんのピアノと、
時折アコギの弦の擦れる音が何ともメロウで、声の情感が引き立つー!
2曲ですっかり惹きこまれたところで、今日のMCの第一声は
「63歳になって初めてのライブです!」
今日、大阪入りしたという諸岡さん。新幹線が混んでたー!だそうで。
(確かに超満席+到着したら前回以上に人が多くてびっくりでした)
続いては、アコギのストロークとJazzyなピアノで"Dead or Love"
前2曲とは色合いの違う、アコースティックなのにフルスロットル。
鋭さを交えた音と歌声が曲に似合っていて、熱い!渋い!カッコいい!
ラスサビで、音を落としてアカペラっぽく聴かせた声が最高でした。
MCを挟んで、"風の中のストーリー"でふんわりと和んだところで
「1曲目は河合塾のCMで、同じころに憂歌団も河合塾やっていて…」と
話す諸岡さんに、フロアから「今、ここの隣でやってるよ」との声が。
S.O.Ra.さんの隣は、なんばHatch。そちらで、憂歌団の木村充輝さんの
古稀をお祝いする、ミュージシャンが集まっての2daysなのだとか。
そんなお話から、桑名正博さんの話題へ。
ここの店内には、桑名さんのポスターやフライヤーがたくさんあって
「ここにいると、マサヤンが見てくれているようで…」と"あの日"を。
桑名さんとも何度か共演されている浜崎さん、この曲も一緒に演奏されたことがあるそうで
まさかの1曲に聴き入りながら、ラストの1フレーズでの遠い視線に、先日の久留米での一幕を
思い返し、時間と空間を越えて、"同じ"場に在る奇跡を目の当たりにできて幸せでした…。
歌い終わった諸岡さんも、九州のライブでこの曲を歌ったら感極まってしまって…と話を繋ぎ、
今日の空も、ここS.O.Ra.も…と"空"へ。
途中、アコギをたたいて一瞬入ったブレイクと、どこまでも深く、高く響く歌声に、
きっと"あの日"の空とも繋がっている…そんな気持ちを抱いた今日の"空"でした。
そして、第一部最後の曲は、語りかけてくるように、いつにも増して優しい声で"ずっと"
間奏のピアノが切ないほど綺麗で…浸っているうちにふわりと音が静まって、第一部が終了。

「今日は、ピアノで歌おうと思って」という言葉とともに始まった第二部のステージ。
その言葉どおり、ピアノの似合う曲と言えば…の"Estrange"から。
2枚のアルバムに、異なるアレンジで収録されているこの曲。
今回は"Estrange"版から、小島さんの弾く原曲のフレーズを織り交ぜつつ繊細に連ねる音と
目を閉じて歌う諸岡さんの声の響きにうっとりと浸りながら、
4年前、このアルバムの制作に少しだけ関わらせていただいた時のことを思い出しておりました。
アルバムタイトルが決まった時の、最後の1ピースがかちりと嵌ったような感覚。
実はこちら、ただ単に曲名がアルバムタイトルになった、のではないのです。
ああでもない、こうでもない…の中から選び出した1つの言葉、その意味に託された想い。
きっと、一生に一度の経験。数年経った今でも、音とともに鮮明に記憶に焼き付いています。

しっとりとした余韻から、一気にJazzyな雰囲気の"Lovin'"へ。
曲間を繋ぐ、Improvisationっぽいピアノが最高♪
続く"体より心が"は、シャッフルするリズムでBluesyに。
このあたりの音の変化、そして歌によって変わる声の表情、響きの揺らぎ…
ピアノとアコギだと際立ちますねー!
そこから、今度は転がすようなピアノの音色で"手紙"
声の響きが何ともノスタルジックで、店内の木のファニチャーや色味、
そして光にとってもよく似合っておりました。
2コーラスの歌い出し、"きっと…"の歌声に感動><
明日がお父様のご命日にあたるのだそうで、MCでは東京に出てきてからお父様に送った手紙のことや、お父様のエピソードを。
秘密基地も作ったなー、という言葉から、レコーディングの時のことや、この曲を手がけられた牧野信博さんのご紹介も。
「音楽は、宝物になっている。そんな気持ちを忘れないようにしよう…」と、ふわりとピアノだけで歌われた"秘密基地"
諸岡さんはギターを手放し、マイクを手に。
声も、表情も、そして視線や手の動きも…全部がかけがえのない宝物、の時間。
しっとりと浸った後は、MCを挟んで、こちらもピアノだけで"今"
少しフェイクを入れた歌声が新鮮な響きで、これまで聴いた中でも出色…!
今日のこの2曲、本当に珠玉のひとときでした。
アコギの弾き語りももちろん素敵だけれど、やっぱりハンドマイクでの歌は、
さらに感情の揺れ動きが声に乗ってくるようで好きなのです。
音の余韻を楽しむような、拍手までのほんの一瞬の間を含めて、
最後までじっくりと浸らせていただきました。
再びギターを手にした諸岡さん。軽くカウントを取って"Love Me Tender"のイントロを小気味いいリズムで。
ピアノの音色も、コロコロとどこか可愛らしい感じ。
"愛してる♪"のフレーズで諸岡さんが見せた笑顔も、どこか悪戯っぽくてこれまた可愛い(笑)
歌い終わりで拍手が起こる中、いきなり落ちサビをもう1度歌い出し、決めのフレーズ直前でぴたりと音を止める諸岡さん。
そう来たか!と、ほぼ反射神経で(?)"愛してる♪"と返しましたとも。
ここ数回のライブで「愛してると叫ぶコーナー」に仕上がりつつあるこの1フレーズの客振りなのですが、
不意打ちすぎて1回目で応えたのは私1人でありました(笑)たぶん音程は合ってたと…思いたい。
今日はフロアに留まらず、S.O.Ra.のスタッフさんにまで広げて、最後にもう一度みんなでコール♪
笑顔が弾けたところで、「また来るー!」と歌い語りをまじえての"忘れかけた空"は、ピアノとギターと声の掛け合いが
アコースティックを超えた熱さで一気に駆け抜けていきました。
ここで、「予定にはなかったけれど、1人で歌いたい曲があるから…」と、浜崎さんを拍手でステージから見送り、
改めてギターを持ち直しての"レクイエム"。何故、ここでこの歌を選んだんだろう…と思いを巡らせつつ、聴き入っておりました。
つい先日、Eric Carmenの報を聞いたので…"Desperate Fools"歌われるのかな?と、最初の一音聴くまで思っていたのです。
ひとりひとりに目線を合わせてのリフレイン。
"君がここにいれば…"のフレーズに、"What's becoming of me"の一節が繋がっているようで…涙したひとときでした。
そして、歌終わりの拍手はそのままアンコールへ。再び浜崎さんが加わって、華やかに"Don't Stop!Carry On!"
フランクに入るピアノがいい感じ♪浜崎さんのコーラスと、"Oh Yeah!"で最後に拳を振り上げて、本日のライブは終了。
音と歌をひとりじめしているかのような、とってもとっても贅沢な一夜となりました。


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